一般財団法人日本航空協会
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航空遺産継承基金 平成27年11月活動記録

1.資料の寄贈
(1) 11月13日、甲斐正三氏から1945年に飛行機事故で亡くなられたお父様・甲斐茂吉航空局航空官の事故に関する資料などを借用しデジタル化させていただきました。甲斐航空官は大阪飛行場長や航空試験所大阪出張所長、航空事故調査委員会委員などを務めています。
(2) 11月13日、大谷啓二氏から1944年9月に発行されたニッポン号のソリッドモデル製作用の図面(右写真)を寄贈いただきました。ニッポン号は1939年に世界一周をした初の国産機で、大谷氏は当時入手したものを保管されていました。
(3) 11月26日、石井正恵様からお父様の同級生で日本海軍の搭乗員・山本ミ氏の写真2枚を寄贈いただきました。
   
2.資料の調査・保存・公開 
(1) 11月5、12、19、26日に寄贈された故山崎好雄氏、平木國夫氏の図書・写真などの資料の整理作業を、東京文化財研究所において実施しました。資料には本年度発行予定の戦前の民間航空機に関する書籍『J-BIRD 写真と登録記号で見る戦前の日本民間航空機 満州航空・中華航空などを含む』に有用となる資料が含まれているため、執筆者の藤原洋氏、藤田俊夫氏、柳澤光二氏、河守鎮夫氏にお集まりいただき関連資料を確認しました。
(2) 11月11日、徳島白菊特攻隊を語り継ぐ会・山下釈道会長が現地で出土した部品を持参して基金事務所を来訪されました。徳島県阿波市市場町には戦時中に海軍の秘匿飛行場があり、戦後航空機エンジンを埋めたとの証言を得て掘り出したとのことです。錆やこびりついた泥などの除去についてアドバイスを行い、鑑定については当基金賛助員でもあり戦時中の航空機エンジンに詳しい福澤計人氏を紹介しました。鑑定の結果、戦時中の日本の航空機エンジンの部品ということが判明しました。
(3) 11月16日、基金専門委員4名(鈴木一義氏、中山俊介氏、藤原洋氏、横山晋太郎氏)および旧軍機の研究家・中村泰三氏とともに川崎重工岐阜工場を訪ね、塗装剥離を終えた飛燕の状態を確認しました。当面の課題となっていたこれまでの修復の際に使われたパテの除去については今回のリムーバによる塗装剥離の際に予想以上に取り除くことが出来たため引き続き同処置により残るパテを除去し、その後の物理的除去と合わせてオリジナルの無塗装の状態を再現することになりました。
(4) 11月20日、飛燕と同じく川崎航空機が生産した二式複座戦闘機「屠龍」の羽布を中村泰三氏から借用し、東京文化財研究所で分析していただきました。分析の結果、亜麻布ということが判明しました。 
   
3.写真資料の貸出 
(1) 5月8日、NBS長野放送に『日本航空史年表』に掲載された黒煙を上げる陸軍松本飛行場の写真データ1枚を5月21日の「みんなのニュース」の「旧松本飛行場の跡を辿り、戦後70年を考える」と題したコーナで使用するとのことで貸出しました。
(2) 5月11日、別冊ニュートン『飛行の原理から最新鋭の航空機まで 航空機のテクノロジー』に掲載用として、グラーデなどの写真12枚を貸し出しました。
 
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