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2020年12月 航空遺産写真 今月の1枚

高橋正夫コレクション「
東大 LBS-3

航空遺産継承基金事務局で所有している航空写真を毎月1枚ピックアップしてご紹介します。

 


 1955年10月、日東紡績から東京大学への機体製作費寄付により東京大学航空研究会が当時の最新素材であるFRP(強化プラスティック)製のグライダー「東大LBS-3(JA2020)」の設計を開始しました。機体は東京軽飛行機研究所、日東紡強化プラスチックス研究所により製作され、1956年5月末に完成しました。翌月7日、藤沢飛行場にて試験飛行、14日には命名式が行われ「日東」号と名づけられました。同年の6月29日~7月13日のフランス大会を目指して製作されましたが、結局同大会では使用されませんでした。
 FRPは胴体に使用され、FRPでバルサ芯材の両側をサンドイッチする構造で従来木製の2倍以上の強度がありました。主翼はグライダーとしては国内初となる層流翼(空気抵抗が少ない翼)が採用された木製骨格の羽布張りでした。
 写真は恐らく航空機登録日1956年6月1日前後の失速試験中のもので、左主尾翼に気流を観察するための糸が取り付けられ、パイロットが翼端失速の様子を確認していることが分かります。2020年最後の「今月の1枚」ということで登録記号「JA2020」の「東大LBS-3」をご紹介いたしました。同機の模型が航空会館2F受付横に試験展示中です(2020/12/23現在)。航空会館のgooglemapリンクはこちらから。


この写真は高橋正夫氏の写真アルバムからの1枚です
コレクションNo.4に 収録されています)。

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2020.08.25から設置