認定理由 |
三米風洞は1930(昭和5)年に東京帝国大学航空研究所(以下、航空研究所)の風洞部の実験施設として建設された。戦前はもっぱら航空学の研究に使用され、航続距離の世界記録を樹立した航空研究所長距離機(通称:航研機)、非公式ながら航続距離の世界記録を作ったA−26や層流翼の開発などに貢献した。第2次世界大戦後は、日本の航空に関わる活動が一切禁止される中でも奇跡的に破壊を免れ、YS−11などの国産航空機の開発で活用される一方、自動車、鉄道、船舶、建築物、スポーツなどの研究にも活用され、我が国の産業および文化の発展に貢献した。建設以来、21世紀に入っても実験に使用されてきたが、発電機、モーター、制御装置、計測装置や木製の吹出口、吸込口などに創建当時のオリジナリティを多く残しており、貴重な航空遺産と言える。 |