認定理由 |
防衛庁では波高3m程度の洋上に離着水できる国産4発対潜哨戒飛行艇の新規開発のためにグラマンUF−1アルバトロス飛行艇をベースにUF−XS実験飛行艇を製作した。1962(昭和37)年に初飛行し、1964(昭和39)年まで様々な実験を続けた。実験で得られた成果は戦後初の国産飛行艇となるPS−1飛行艇の設計に取り入れられ、最新のUS−2飛行艇にまで受け継がれている。UF−XS実験飛行艇はPS−1飛行艇開発の目的でただ1機製作された希少な機体であり、戦後日本の飛行艇開発の原点である。実験終了後の屋外展示されていた間に見学のための改造が行われたことなどもあり使用時の状態と大きく異なってしまったが、適切な修復・復元処置により実験機としての使用当時の状態を取り戻し文化財的価値を有している。これらのことから、UF−XS実験飛行艇は日本の飛行艇開発の歴史を伝える貴重な航空遺産と言える。 |