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2005年8月18日、JTBはスペースアドベンチャーズ社(本社:米国バージニア州、以下、SA社)と日本における宇宙旅行の独占販売契約を締結し、10月から販売を開始することを記者会見で発表した。宇宙旅行の目玉商品は、「本格宇宙旅行(軌道飛行)」。ロシアのソユーズロケットに乗り、高度400kmの地球の軌道を周回する国際宇宙ステーション(ISS)に1週間滞在するツアーで、毎年春と秋の年2回実施し、6〜8カ月の訓練を含め、旅行費用は2千万ドル(約24億円)。宇宙から富士山やエベレスト、アマゾン川やガンジス川など美しい地球の景色を眺めたり、ハリケーンやオーロラなどの気象観測もできる2006年7月現在、民間人で3人体験し(アメリカ実業家デニス・チトー氏、南アフリカIT起業家マーク・シャトルワース氏、アメリカ技術起業家グレッグ・オルセン博士)、9月には4人目の民間人として榎本大輔氏が打ち上げ予定。また、DSE(Deep
Space Expedition)アルファ計画(「月旅行」)は、ロシア連邦宇宙局(FSA)およびロケット宇宙公社エネルギア(RSCエネルギア)とのパートナーシップにより実施が可能となった。見どころは、間近に見る月の景色。映画「2001年宇宙の旅」にも登場した「ティコクレーター」や、月の中で最も美しいと言われる「コペルニクスクレーター」、アポロ13号が着陸できず、アポロ14号が着陸した「フラマウロ高地」など見どころが豊富。クライマックスは、地球から決して見ることのできない月の裏側へ飛行し、月から見る「地球の出」。2008年以降の実施を予定し、旅行費用は1億ドル(約120億円)。
8月の記者会見後の反響は大きく、マスコミ関係者からの取材が殺到したが、私はうわついたプロモーションは一切せず、正確な情報を伝えていくことを心がけた。安請け合いすることはJTBのブランドを傷つけてしまう。できることと、できないことを正確に伝える、地に足をつけたプロモーションをこれからも続けていくつもりだ。
夢物語ではなく、現実となっているのが「無重力体験」。価格もちょっと手を伸ばせば届きそうだ。それは、1回約30秒の無重力体験を10回程度繰り返し体験することができ、ロシアとアメリカで実施されている。ロシアではスターシティーなどの観光付き4日間、アメリカは日帰りプログラムで、旅行費用はロシア9,895ドル(約119万円)、アメリカ3,750ドル+州税5%(約47万円)。「超音速ジェット機体験」もある。こちらは、ロシア空軍の超音速ジェット機に搭乗し、宇宙の入口を訪れる。高度25kmの上空から眼下に湾曲する地球の表面を眺め、頭上に漆黒の宇宙空間を体験する。スターシティーなどの観光付き5日間、旅行費用は搭乗するジェット機により異なり、23,995ドル(約288万円)から31,995ドル(約384万円)。 これらを昨年10月に販売を開始したところ、問合せはわれわれの予想以上だった。
なかむら とよゆき、JTB宇宙旅行事業推進室 室長 |
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since 2006/07/15