航空遺産継承基金 ギャラリー 日本陸軍『航空写真帖』昭和8年5月 |
142/406枚目 画像ファイル名:Ka-089_p055-8.jpg 【オリジナルキャプション】 大正二年十一月尾参特別大演習ニ参加 セシ当時ノ会式第三号飛行機 (発動機グノーム五〇馬力) 機上ハ岡騎兵中尉 大正二年十一月尾参特別大演習に参加した会式五号または六号。この演習には、4機のモーリス ファルマン1913年型と、会式五号、六号の計6機の飛行機が参加した。 尾参は、「尾三」の別表記。現在の愛知県にあたる旧国名「尾張」と「三河」の地域をあわせてそう呼ぶ。 大正二(1913)年の特別大演習は名古屋附近で開催されている。 特別大演習は、原則毎年秋の演習の最後に行われる大規模な演習であり、天皇自ら統監する、最も権威のある演習であった。 大正元(1912)年の特別大演習は、臨時軍用気球研究会のある所沢を中心に行われたこともあり、初めて飛行機が参加した特別大演習となった。当時、敵の迎撃を受けない空中を高速で移動できる利点を活かし、偵察に威力を発揮した。それまでの騎兵偵察では考えられないスピードでの偵察に、軍上層部は驚き、新聞も飛行機の活躍を報道した。これをきっかけに、陸軍は飛行機を不可欠と考えるようになり、以後の特別大演習には毎年飛行機が参加するようになった。一方、航空要員の組織的な育成(交通術修業員養成制度での操縦・偵察観測将校養成)はまだ始ったばかりで、一層の教育が図られるようになった。 参考:松原治吉郎、2023、『陸軍航空の形成――軍事組織と新技術の受容』錦正社(航空図書館所蔵):p27-53 |
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