沿革

日本航空協会のルーツ

飛行館-1929

飛行館-1929

日本航空協会の源流

日本航空協会のルーツは、1913年(大正2)に創立された帝国飛行協会にあります。
東京代々木で国内初の動力飛行が成功した1910年(明治43)の3年後、民間主導による航空振興を活動目的として帝国飛行協会は創設されました。皇室からの下賜と民間寄付を財源に活動は展開され、当時唯一の国際航空組織であった国際航空連盟:FAI(Federation Aeronautique Internationale)に日本を代表して加盟しました。

模型飛行機大会

模型飛行機大会

戦前の普及活動

航空機の実用性向上のため東京~大阪間の懸賞飛行、飛行競技会、などを全国各地で開催し、その他にも講演会、映画会、各種補助金の交付、航空殉職者に対する慰助活動、懸賞論文募集、海外からの有名飛行家歓迎など多彩な事業を行い、大正から昭和初期にかけて軍事とは別の民間分野で航空の進歩に貢献しました。
当時国内を熱狂させた事件であった航研機の長距離飛行、神風号の訪欧飛行でも帝国飛行協会は記録を公認する立場にあり、軍事を除いた航空全てに関連していたと言っても過言ではないでしょう。
その後、戦争が拡大する中で航空戦力に直結する戦時体制への切り替えが要求されることとなり、1940年(昭和15年)には閣議決定に基づき、他の航空団体と統合することになり大日本飛行協会へと改組しました。

航空会館の外観

航空会館の外観

日本航空協会発足

1945年(昭和20)の終戦後、航空は全面禁止となり大日本飛行協会も一旦幕を閉じました。暫く表立った活動は出来ませんでしたが、逓信科学振興協会という仮の姿で継続し1952年(昭和27)の航空再開とともに現在の財団法人日本航空協会として新たなスタートを切りました。
1973年(昭和48)までは朝日、毎日、読売の新聞3社が運営にあたっていましたが、航空会館の建て替えを機に航空会社に引き継がれました。
この航空会館を拠点として、航空図書館の運営、航空関係者の表彰、各種講演会・セミナーの開催、教本書籍・統計書籍の出版、航空スポーツの普及振興育成、国際航空連盟(FAI)の日本代表機関業務、日本記録の認定・管理、世界記録の申請、日本選手権者の認定・管理、世界選手権への選手認定、世界選手権の日本開催、青少年航空宇宙絵画コンテストの開催、航空スポーツ教室の開催、こども模型飛行機教室の開催、航空育英会、航空遺産継承事業、航空神社祭事、全国地域航空システム推進協議会事務局、航空宇宙輸送研究会事務局、「空の日」「空の旬間」実行委員会事務局、航空クラブ事務局、新年賀詞交歓会事務局、国際線発着調整事務局などを行っております。
日本航空協会が我が国で最も長い歴史を有する航空に係わる団体です。

日本航空協会の歴史

1913年

4月23日 (社)帝国飛行協会発足(翌年財団化)

1914年

第1回民間飛行競技会を開催(兵庫/鳴尾競馬場)

1919年

国際航空連盟:FAIに加盟(19番目の加盟国)
第1回東京~大阪懸賞郵便飛行大会を開催

1926年

パリ日本大使館にてFAI総会を開催

1929年

飛行館の竣工

1931年

国産機による太平洋横断懸賞飛行を発表(成功者なし)

1940年

(財)大日本飛行協会に改組

1945年

(財)大日本飛行協会解散

(財)逓信科学振興協会発足

1952年

財団法人 日本航空協会発足

10月1日 創立

1953年

1月24日 運輸大臣許可(官文第51号の1)。登記設立日

1955年

航空図書館を開設

1956年

日本航空史/明治・大正編の刊行

1957年

表彰制度を創設(航空学術賞)

1969年

大阪飛行館落成(1998年閉館)

1970年

関宿滑空場を開設(2003年NPO法人に移譲)

1977年

スポーツ航空フライイン’77を開催
(埼玉/桶川、初の航空スポーツフライトショー)

1978年

航空会館の竣工(飛行館の建替)

1981年

第74回FAI総会を東京で開催

第3回ハンググライディング世界選手権開催(大分県別府市)

1984年

F1D世界選手権開催(名古屋市、模型:フリーフライト室内)

1989年

第9回 熱気球世界選手権開催(佐賀県佐賀市)

第1回スカイ・レジャー・ジャパンを埼玉県本田エアポートで開催

1992年

日本航空史の完結 (明治大正・昭和戦前・昭和戦後 各編)

1993年

女子ハンググライディング世界選手権開催(山形県南陽市)

1995年

パラグライディング世界選手権開催(福岡県北九州市)

F3A・F3C世界選手権開催
(岡山県笠岡市、模型:F3Aラジオコントロール曲技。F3Cラジオコントロールヘリコプター)

 

1996年

FAI(国際航空連盟)よりエアスポーツメダル受賞

 

1997年

第13回 熱気球世界選手権開催(佐賀県佐賀市)

1998年

フランス航空協会からメダル受賞

大阪飛行館を閉館(国有地返還命令により)

2000年

ジャパン・ソアリングセンター関宿30周年記念イベント開催
(第12回スカイ・レジャー・ジャパンと共催)

第25回パラシューティング世界選手権伊勢志摩大会を開催

2001年

第6回ワールド・ゲームズが秋田で開催され航空スポーツとしてパラシューティング競技を開催。
IOC(国際オリンピック委員会)から感謝状を受けるなど高い評価を得た。

2003年

ジャパン・ソアリングセンター関宿を、滑空愛好者が設立した特定非営利活動法人 関宿滑空場に移譲。

F3C RCヘリコプター世界選手権開催
(石川県能登、模型:F3Cラジオコントロールヘリコプター)

創立90周年記念『航空文化百年展』開催
12月12日~20日、航空会館9階サロン、666名来場

2004年

航空遺産継承基金を設立

2005年

WEB版「航空と文化」スタート

スカイ・レジャー・ジャパン’05 イン野田をFAI100周年記念行事として開催

2006年

日本航空協会平沢顧問がFAIシルバーメダル(世界初)と終身名誉会員ディプロマを受賞

第17回 熱気球世界選手権開催(栃木県もてぎ)。この機会にFAIポートマン会長来協

2007年

重要航空遺産認定制度を設けYS-11輸送機量産初号機、九一式戦闘機を認定

2008年

1月、国際線発着調整事務局を設置

 5月、戦後航空再開時の国産航空機群を重要航空遺産に認定

2009年

日本初の動力飛行をした飛行機のプロペラを重要航空遺産に認定

2010年

記念誌『日本の航空100年』を刊行

2011年

日本初の飛行機による動力飛行が行われた代々木練兵場跡地、零式水上偵察機を重要航空遺産に認定

2012年

7月2日(月) 一般財団法人へ移行登記

「一般財団移行にあたり」 会長挨拶 
(2011.5~2019.6:野村 吉三郎会長)

2013年

創立100周年

2014年

X1G1B高揚力研究機、UF-XS実験飛行艇を重要航空遺産に認定

2016年

 第22回 熱気球世界選手権開催(佐賀県佐賀市)

 7月、一式双発高等練習機を重要航空遺産に認定

2018年

F5B・F5D電動模型航空機世界選手権(北海道滝川市)

2019年

東京大学駒場IIキャンパス1号館(旧東京帝国大学航空研究所風洞部建物)三米(メートル)風洞を重要航空遺産に認定

2023年

4式戦闘機「疾風」、三式戦闘機「飛燕」を重要航空遺産に認定